白内障とは目のなかにあり、レンズの役割をしている水晶体が濁る病気の総称です。白濁してくる部分は人によって異なりますが、真ん中から白濁した場合は早期の段階から視力に影響を及ぼすため、早めに検査・診察を受けることが重要です。

白内障の原因のほとんどは加齢によるもので、40代で約40%の方が
発症をし始め、60代で約75%、80代で約100%の方が加齢性白内障を発症すると言われていて、加齢変化の一つとして、避けて通ることのできない疾患です。

また、白内障の中には、緑内障や網膜剥離(はくり)、糖尿病、ベーチェット病、網膜色素変性症など他の重大な病気が隠れている場合もあるので、症状があれば老化現象と決めつけず、早めに眼科を受診することが大切です。

【白内障の症状は】

下記の症状が気になる場合は、白内障を発症している可能性がございます。
一度眼科を受診されることをお勧めします。

●まぶしさ

・強い日差しや逆光が異様にまぶしいと感じる。
・明るいところでものを見ることに抵抗や違和感を感じる。
・夜間時の運転で、車のヘッドライトやテールランプが乱反射するようにまぶしく感じる。

●視力の低下

・近視が急激に進み、普段の眼鏡やコンタクトレンズの着用では、遠くが見づらくなった
・反対に近くが非常に見やすくなり、老眼鏡を着用する必要がなくなった
・メガネやコンタクトレンズの度数を半年に1回程度上げている

●かすみ

・視界が白くかすみ、モヤがかかっているような状態が頻繁に起こる
・何らかの目のかすみから解消されたいと、目をこする機会が増えた

●少し薄暗いと見えにくいと感じる機会が増えた

・夕方から夜間にかけて人の顔が見えづらいと感じるようになった
・照明が暗めなお店に行くと、メニューや本などの文字が見えない

【白内障の種類とその主な原因】

【白内障のタイプについて】
白内障の濁り方には、さまざまなタイプがございます。水晶体の中心のやや硬い部分を「核」といい、「皮質」がその周りを覆っていて、さらにその外側には「嚢」という膜があり、これがカプセルのように水晶体全体を包んでいます。前方の嚢を「前嚢」後ろ側の嚢を「後嚢」といいます。
水晶体の濁りの部位ごとに、核白内障、皮質白内障などとタイプ分けされ、その中でも後嚢に近い部分の皮質が濁る「後嚢下白内障」では、非常に自覚症状を強く感じます。

【白内障の検査方法について】

白内障かどうかを判断するためには主に以下の検査を行います。

●視力検査

裸眼での視力と、メガネやコンタクトレンズを使用した時の視力(矯正視力)を比較します。矯正をしても視力の変化が見られなければ白内障が疑われます。

●細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)検査

水晶体の混濁の程度は直接顕微鏡で観察します。細いスリット状の光を当てて顕微鏡で拡大して観察すると、透明な組織の内部構造までがよく把握できます。

【白内障の治療方法について】

●薬物治療

初期における治療方法は、病気の進行を遅らせることを目的とした薬物治療です。日常生活に支障がない程度の症状の場合は、点眼薬(目薬)や内服薬で様子をみます。

●白内障手術

薬物治療を進めていく過程や定期的な検査により、白内障の進行を遅らせることが難しいと判断された患者様や、日常生活に支障をきたすほどに症状が進行している患者様に対しては、手術での治療を行います。

・視力低下が著しく仕事に影響を与えている
・太陽光や光がまぶしく、極端に視界が見えにくくなっている
・視力が0.7以下まで低下し、運転免許証の更新ができない
以上の場合は、かかりつけ医との相談が早急に必要です。

【白内障の手術方法について】

白内障手術は濁った水晶体を取り除き、眼内レンズに入れ替える手術です。
手術時間は早い場合は15分〜30分程度で終わります。
「阿佐ヶ谷眼科」では日帰り白内障手術を行っています。(日曜日手術実施)

角膜と結膜の境目あたりをわずかに切開切開して、水晶体の前嚢を切り取ります。

器具を入れて水晶体の核と皮質を超音波で砕き、吸い出します。

後嚢だけは残しておいて、眼内レンズを挿入します。

【白内障手術の流れ】

1.受診:術前検査日の決定(初診/再診)
手術希望日、スケジュールなどを診察の際に確認し、スケジュールを決定いたします。

2.術前検査
視力検査や眼底検査、人工レンズの種類や度数の決定、手術の内容説明を行います。

3.手術当日
手術は通常局所麻酔下にて行います。痛みはほとんどありません。白内障の程度によっても時間は異なりますが、大半の手術は15分〜30分で終わります。
※手術は「阿佐ヶ谷眼科」でのみ行っております。

4.術後の検診
・翌日
・2、3日後
・一週間後
・2~3週間後
・1ヶ月後
・3ヶ月後

その方の経過に合わせて術後半年ごろまでは経過観察を行います。

【レンズの種類について】

●単焦点レンズ【保険適応】

よくピントが合う焦点が1点の眼内レンズです。ピントを「遠く」に合わせた場合は手元を見るときに老眼鏡が必要です。反対に、ピントを「近く」に合わせた場合は、遠くを見るとき(運転時など)に、眼鏡が必要です。

●多焦点レンズ(2焦点眼内レンズ)【自費診療】

ピントが合う焦点が2点の眼内レンズです。遠くと近く、という二つ距離の焦点ですが、中間の距離の見え方や、極端に近い部分、極端に遠い部分の見え方は悪くなります。それらの部分を補助する場合は眼鏡が必要になります。

●多焦点レンズ(3焦点眼内レンズ)【自費診療】

遠くと近くと中間距離の3点に焦点があう眼内レンズです。
よりメガネの使用頻度を減らす事、そして、国内の主流の多焦点眼内レンズのデメリットな部分を補う機能を持っているなどの理由から最も人気のある眼内レンズです。

【術後の注意点】

手術の直後は目の充血がみられる方が多いです。
また、しばらくは、目の中がゴロゴロとする感覚や、チクチクする感覚を感じたり、涙や目やにが出る等の症状が現れますが、1~2週間を目安になくなっていきます。
医師の許可が降りるまでの間は洗顔や入浴をしない
違和感を感じても目をこすったり、触ったりしない
転んだり、目に衝撃を与えないように注意する
医師の許可があるまで運動や運転をしない
医師の指示通りに点鼻薬や内服薬を使用する
飲酒や喫煙は極力控える

【白内障手術の合併症について】

●術後炎症
手術後に目が充血したり、角膜が腫れたり、眼圧が上がってしばらく見えにくい場合があります。医師の指示に従って点眼あるいは内服を続けていれば数日で回復いたしますのでご心配いりません。

●グレア
眼内レンズの素材は、単焦点・多焦点レンズかかわらず、一種のプラスチックです。そのため眼内に入る光が反射され、光が長く伸びてまぶしく見えたり、見ている物体の周囲に輪がかかって見えることがありますが、しばらくすると気にならなくなりますのでご心配はいりません。

●破嚢(後発白内障)
眼内レンズを支える袋(嚢)が何らかの原因で手術中に破けることがあります。 
破嚢が起こると、手術に少し時間がかかります。
また、破嚢の程度が大きい場合には、眼内レンズを挿入できないこともあります。
このような際には後日、眼内レンズを縫いつける方法でレンズを挿入します。
【日帰り白内障手術の費用について】
皆様の保険に合わせた料金設定をいたしますので、お気軽にご相談ください。